JUICY KISS ~あなたの唇独り占め~【番外編追加】
「ちょっと、いい?」
倉坂さんは裕美子にそう言うと、部屋から出て行った。
不思議なツーショットだった。
ふたりで話したことはないくらいの仲。
なんだか、気になってしまって、私もトイレへ行くふりをして、部屋を出た。
トイレの前の休憩所にふたりがいた。
「あんなことされて、黙ってたらダメだろ!本気で怒る必要はないけど、うまく逃げないと!あんなこと許してたら、どんどんエスカレートする」
倉坂さんは、裕美子に向かって、真剣に説教、というか心配してくれていた。
「倉坂さん、すいません。見てたんですか?」
裕美子の声。
「前にいるんだから当たり前だろ?他のヤツもみんな見てると思う。嫌なことは嫌って言っていいんだから。コンパニオンじゃないんだから、あんなサービスしなくていい」
倉坂さんのことが、もっともっと好きになった。
ちゃんとそういうことを見て、ちゃんと注意できるところがかっこよすぎる。
酔っているのにね。