JUICY KISS ~あなたの唇独り占め~【番外編追加】
「倉坂さん、ありがとうございます。そんな風に言ってくれた人初めてで」
「いや、あんなことする上司が一番ダメなんだけどな」
倉坂さんは、ポンポンって裕美子の背中を叩いて、部屋に戻った。
私は気付かれないようトイレに向かう。
また好きになった。
倉坂壮志、どこまでも素敵な人。
倉坂さんの言葉をひとつずつ思い出す。
トイレの中で、酔いをさました。
トイレから出ると、休憩所に倉坂さんが立っていた。
「トイレ、長いよ。お前の友達と城ノ上さん、部屋行ったぞ」
倉坂さんは、私に気付くとそう言って、ため息をついた。
「誰?裕美子?」
「いや、違う、あの派手な方」
「真佐?」
倉坂さんは、静かに頷いた。
「社員旅行でそういうことするのって、俺はどうかと思うけど」
「そうだね。そっか。真佐とジョーさん、まだ続いてたんだね」
裕美子の顔が浮かぶ。
今晩、ジョーさんと近付きたいって言ってたのに。