JUICY KISS ~あなたの唇独り占め~【番外編追加】
「じゃ、コーヒーおごるよ。待ってて。何がいい?」
「いいんですか?じゃあ、アイスコーヒーで」
倉坂さんは、私を座らせたまま、注文しに行った。
注文する後ろ姿をじっと見つめてしまう。
大きくてがっしりした背中。
でも、細身で。
後ろから見た髪形もまたナチュラルで好き。
こういう感覚久しぶり。
高校の頃、好きだった先輩をずっと影から見つめていたことを思い出す。
「お待たせ~」
「すいません。おごってもらっちゃって」
「いいよ。俺が無理やり付き合ってもらったんだから」
そんなことないです。
私も、倉坂さんとコーヒーが飲みたかったんです。
と、心の中で呟いた。
「あれ?もしかして、お前も俺ともっと話したかったの?」
エスパーみたいなことを言う倉坂さん。
「もうっ!またそんなこと言って~!だから、誤解されるんですよ」
冗談で返さないと、私の気持ちがバレてしまう。
真っ直ぐな瞳で見つめられると嘘がつけない。
「ははは。お前は誤解しないだろ?」
お前って呼ばれることにも快感を覚えてしまう。