JUICY KISS ~あなたの唇独り占め~【番外編追加】

「俺、お前が思ってるよりずっと弱いし、ダサいし、不器用だし・・・・・・全然うまく恋愛とかできない。だから、適当に好きになって付き合ってってのが楽だった。そういう自分を演じてた」

大好きな声。
大好きな温もり。

心の中がずっと見えない人だった。
でも、今・・・・・・

心の中を私にさらけ出してくれてる。


「倉坂さんは、傷付きやすい人だって思ってた。わかってたのに、ごめんね。ほんとにごめん」


ちょっとすねたような声で倉坂さんは言った。

「もう、だめかと思った」

って。

それは私のセリフだよぉ。

私、もうだめかなって思った。


もう戻ってきてくれないのかなって本気で怖かったんだよ。


「泣きたいのは俺だって」

そう言って、私の頬を指でなでる。



< 170 / 331 >

この作品をシェア

pagetop