JUICY KISS ~あなたの唇独り占め~【番外編追加】
「俺がこんなひねくれた性格になったのは、いろいろ過去に痛い思い出があるんだけどさ。そんなこと知らないお前にとっては、迷惑な話だよな。いろいろ悪かったな」
過去に何があったのか、聞きたかったけど、それはまたいつか話してくれるよね。
ゆっくりゆっくり、その傷を癒していければいいな。
「そろそろ部屋、戻るか」
そう呟くように言った倉坂さんは、さっきよりゆっくりと歩いた。
「寂しいな」
ポツリとそう言った私は、倉坂さんの手をぎゅっと握っていた。
無意識だった。
「何、不安な顔してんだよ。もう大丈夫だから。もうどっか行ったりしないから」
「ほんと?」
「ああ。明日の朝7時にここで待ってる。すっぴんで来いよ」
頭に手を乗せて、優しく撫でられた。
こういうのたまんない。