JUICY KISS ~あなたの唇独り占め~【番外編追加】
あんなにも倉坂さんとのことを親身になって応援してくれていた真佐に、ひどいことをしてしまった。
「私の、せいですか?」
しょんぼりする裕美子に私は慌てて答える。
「違う!違うよ!! そんなことないから気にしないでよ!」
私達は食べ終えたプリンとティラミスのカップを見つめながら、コーヒーを飲んだ。
「寂しいんでしょ、相沢先輩。倉坂さんが会社にいないから」
裕美子から、ブラックコーヒーの苦い匂いがして、倉坂さんと飲んだあのコーヒーを思い出した。
「好きって言ってくれたのに、不安で不安で仕方がないんだよね。片思いしていた時の方が、こんなに不安じゃなかった」
「それはそうですよ。今まではみんなの倉坂さんだった。でも、今は自分の倉坂さんって思ってるでしょ?だから、独占したいし、他の誰かと一緒にいるとか耐えられない」
私のモヤモヤした心の中を全部言葉にしてくれたようだった。
そう。
好きって言ってくれたことで、私には独占欲が生まれてしまった。
私だけ、私だけって・・・・・・欲張りになる。
社内で目が合うだけで嬉しかったのに。