JUICY KISS ~あなたの唇独り占め~【番外編追加】
「お疲れ。待った?」
低く響く声。
覗き込むように目をクリクリっとさせて、顔を近づける。
「おい、どうかしたか?」
もっと顔が近付く。
「大丈夫か?」
肩に手を置かれて、私はこれが現実なのだと気付く。
酔っていた。
こんなに素敵な人が、彼氏だなんて・・・・・・
てか、彼氏ではないのかな、まだ。
付き合ってと言われたわけじゃないもんね。
「菜々子、どした?」
「ううん、ごめん。なんだか、かっこいいな~って見とれちゃって」
とわけのわからないことを言ってしまう。
でも、もう隠さなくていいんだ。
「何、かわいいこと言ってんだよ。ほらっ!」
手を出して、私の手を握ってくれた。