JUICY KISS ~あなたの唇独り占め~【番外編追加】
壮志さんの過去の恋愛を聞いていると、自分の恋愛経験と重ね合わせてしまう部分もあった。
友達と同じ人を好きになったり、好きな人の恋の応援をしたり、憧れの先輩を友達と奪い合ったりもした。
恋愛が絡むと、人間関係って恐ろしく複雑になる。
「どうした?」
顔を覗き込むようにして、私の頬に手を当てた。
「本当にいろいろあったんだね。私も恋愛は失敗ばかりだったから、思い出しちゃって」
「好きな女の過去の恋愛を聞くのは辛いけど、菜々子も恋愛でトラウマとかあったりする?」
ちょっぴり切ない表情で壮志さんは私を見つめた。
「トラウマって程じゃないけど・・・・・・恋愛は得意じゃない。好きな相手には、本当の自分を出せなかったり、信じられなかったりって。友達と同じ相手を好きになったりすることもあったから、すぐに友達を疑っちゃったりする」
最初、真佐のことも信じられなかったんだよね。
壮志さんのことを好きになっちゃうんじゃないかって。
今は、裕美子のことが気がかりであったりもする。