JUICY KISS ~あなたの唇独り占め~【番外編追加】
「俺が馬鹿だったんだよな。バスケばっかりで恋愛なんてうまくいくはずないのに、告白されたら断れなくて、好きになれるかなって思ったりしてさ。結局それで相手を傷つけて・・・・・・だから、彼女達が言うのも嘘じゃない。やり逃げなんてしてないけど、軽い気持ちで付き合ったのは事実なんだ」
「それは、壮志さんの優しさだと思う。喜ばせてあげたかったんじゃない?」
壮志さんはゆっくりと首を横に振った。
「それは違う。自分が悪者になりたくなかっただけだと思う」
「その中で本気で好きになれた人っていなかったの?」
過去の恋愛を語る壮志さんに、胸が痛まないのは、まだ本気で好きな相手が登場していないからだろう。
「大学で初めて運命だって思う相手に会った」
そう話す壮志さんの横顔を見ていると、チクンと胸が痛んだ。
どんな人なんだろう。
壮志さんを本気にさせた女性。