JUICY KISS ~あなたの唇独り占め~【番外編追加】
「初めて自分から行動に出た。だけどな、やり逃げ男って噂は彼女も知っていた。同じ高校の女子が彼女を囲んで、俺の悪口を言った。その女子の中には、俺がフッた子もいたし、仕返しの気持ちもあったんだろうな」
「ひどすぎる・・・・・・壮志さんの恋愛、辛いことが多すぎるよ」
「そうかな。でも、そのおかげで、女を見る目は養われたよ。一発で菜々子のことはわかったからな」
肩を抱かれた。
そっと頬に口を近づけた後に、優しく言った。
「過去に、こんなに本気になったことはないよ」
嬉しくて、涙が溢れる。
モテまくりの壮志さんが私を選んでくれたんだよ。
大学時代のその彼女とは1年付き合って、やっと信じられる相手に出会えたと思った頃に、根も葉もない噂でだめになったんだって。
他の大学の女の子とデートしていたって噂があって、それはただの壮志さんのファンの女の子だったのに、彼女は信じてくれなかった。
携帯チェック、鞄、財布までチェックするようになり、やましくもないのに全部疑われたって。
気持ち、わかるな。
私も、全部知りたいって思ってしまうときがある。
スマホや財布をチェックしたところで心の中は見えないのに。