JUICY KISS ~あなたの唇独り占め~【番外編追加】


「初めて自分から行動に出た。だけどな、やり逃げ男って噂は彼女も知っていた。同じ高校の女子が彼女を囲んで、俺の悪口を言った。その女子の中には、俺がフッた子もいたし、仕返しの気持ちもあったんだろうな」

「ひどすぎる・・・・・・壮志さんの恋愛、辛いことが多すぎるよ」

「そうかな。でも、そのおかげで、女を見る目は養われたよ。一発で菜々子のことはわかったからな」

肩を抱かれた。

そっと頬に口を近づけた後に、優しく言った。


「過去に、こんなに本気になったことはないよ」


嬉しくて、涙が溢れる。
モテまくりの壮志さんが私を選んでくれたんだよ。


大学時代のその彼女とは1年付き合って、やっと信じられる相手に出会えたと思った頃に、根も葉もない噂でだめになったんだって。

他の大学の女の子とデートしていたって噂があって、それはただの壮志さんのファンの女の子だったのに、彼女は信じてくれなかった。

携帯チェック、鞄、財布までチェックするようになり、やましくもないのに全部疑われたって。

気持ち、わかるな。

私も、全部知りたいって思ってしまうときがある。
スマホや財布をチェックしたところで心の中は見えないのに。




< 211 / 331 >

この作品をシェア

pagetop