JUICY KISS ~あなたの唇独り占め~【番外編追加】
試練その1
~試練その1~
幸せの後には、絶対に何かあると、過去の経験から学んでいる。
試練はすぐにやってきた。
ラブラブな森の中のデートの翌日、真佐に呼び出された私は、バーにいた。
少し懐かしく感じる真佐の香水に匂いを嗅ぎながら、社員旅行からの気まずい私達の状況を振り返る。
モスコミュールで乾杯し、先に口を開いたのは真佐だった。
「菜々子、誤解してない?」
カウンターに座った私達は、お互いの顔を見ずに話す。
「誤解って、ジョーさんとのこと?」
真佐のこういうところ、尊敬しちゃうんだよね。
気になることを、ちゃんと解決しようとするところ、見習いたい。
時間があけばあくほどに、気まずくなり、仲直りしづらくなる。
ケンカをしているわけではないけど、明らかに関係が悪化していたことは事実。
「回りくどい言い方は好きじゃないからハッキリ言うけど、城ノ上さんと私、セフレじゃないから!!あの人に、恋の相談されてただけ!誤解されたくないから、もう言う!菜々子のこと狙ってんだってさ」
へ?
へへ?
ジョーさんが、ですか?
それは、予想外過ぎて、リアクションも取れない。