JUICY KISS ~あなたの唇独り占め~【番外編追加】
「私は、あんたが傷付かないなら、それでいいの。菜々子が傷付く姿を見たくないから、城ノ上さんを紹介しようかなって思ってただけ。倉坂さんとうまくいったのならそれでいいんだよ」
真佐は、誰よりも私のことを知っていて、誰よりも私を心配してくれていた。
私のだめなとこ、全部わかってるし、恋愛の弱点もわかってくれてて。
「ありがとう。真佐のおかげだよ。的確なアドバイスくれたから」
押して引く作戦も、今となっては成功したってことだよね。
カクテルグラスに残った真っ赤なチェリーを舌で転がす真佐。
「真佐の恋愛、どうなってるの?」
「それはいいのいいの。それより、城ノ上さん、積極的にくるかもしれないから、うまく交わしなさい。私からは、倉坂さんのことも言ってないし、彼氏いるんじゃない?くらいにしか話してないけど、相当やる気だから」
真佐は自分の恋愛を多く語らない。
もしかしたら、ひとりの人とずっと付き合っていたりするのかもしれないって思うときがある。