JUICY KISS ~あなたの唇独り占め~【番外編追加】
「ごめんね。ありがとう」
私は、コピー機に向かうたくましい背中に声をかけた。
「会議の前にコピーくらいしとけってな。相沢に頼むのもどうかしてる」
久しぶりの“相沢”って響きにキュンとする。
「俺がやるからいいよ、仕事に戻って」
クールにそう言い、コピー機の前に立つ壮志さん。
「手伝いたいけど、だめかな」
「え?別にいいけど」
「だって、一緒の場所で仕事できる機会なんてめったにないし。久しぶりだし・・・・・・なんていうか」
とにかく、そばにいたいんだもん!!
寂しかったんだもん。
一緒のフロアにいることが幸せなんだよぉ。
「寂しかったの?俺に会いたかったの?」
淡々とコピーをしながら、真顔でそんなことを言う。
「はい、そうです」
と答えると、ジロリと睨まれる。
「職場でそういうこと言われると、このままふたりで消えたくなるだろ~が。バカ」
コツンと頭を叩かれて、一瞬周りを見回してしまう。
声は誰にも聞こえていないだろうけど、ちょっとイチャイチャしているように見えると思うんだ。
「じゃ、あとは俺がやっとく。今日、仕事終わったらコーヒーでも飲もう」
私達は、よく行ったあのカフェで待ち合わせをし、目を合わせて、それぞれの仕事に戻った。