JUICY KISS ~あなたの唇独り占め~【番外編追加】
席に戻っても、ドキドキがおさまらないので、給湯室へ向かった。
コーヒーでも飲んで、気持ちを落ちつけようっと。
「・・・・・・グス・・・・・・ン、ググ」
誰?泣き声のような声が聞こえて、私は足を止めた。
のれんの向こう側に見えたのは、裕美子のサンダルだった。
裕美子、ジョーさんと何かあったの?
「だめだってわかってるし・・・・・・」
と裕美子の声が聞こえ、裕美子が誰かと電話をしているんだと気付く。
盗み聞きはよくないと思い、その場を離れようとした。
その時だった。
「倉坂さんはもう先輩と付き合ってるんだもん。今さら、何もできないよ」
倉坂さん・・・・・・
先輩?
その状況を理解するのに、1分もかからなかった。
私の恋を応援してくれていた裕美子は、倉坂さんに恋をしていた、ということか。