JUICY KISS ~あなたの唇独り占め~【番外編追加】
「ジョーさんのこと、どう思ってるの?」
伝票の数字を計算するふりをしながら、私は裕美子にその話題を振ってみた。
「ジョーさんのこともう一回頑張ってみようかなって思うんです。真佐さんとのことも気になりますけど」
「それは大丈夫だよ。真佐とジョーさんは何もないみたい、だよ」
言ってから複雑な気持ちになった。
なにをどうしていいのやらわからない。
ジョーさんを好きなフリをしているけど実は壮志さんが好きな裕美子。
真佐といい感じに見えたのに、私を狙っているというジョーさん。
何を信じていいんだろう。
せっかく両思いになれたのに。
壮志さんが言ってた試練が次々に起こって、私の心は破裂しそうだよ。
「ジョーさんと倉坂さんと4人の飲み会、企画してくださいよ~!」
裕美子のことは好きだし、裕美子のことを信じたい気持ちはある。
でも、もう真実を知ってしまった今は、真っ直ぐに目を見ることもできないよ。
「聞いてみるね」
それだけ言って、私は席を立った。
真佐に相談するか、壮志さんに相談するか・・・・・・と悩みながらスマホの画面を見る。
と、珍しく壮志さんからメールが届いていた。
【さっきはお茶ど~も】
そのメールを見て、涙が溢れちゃうくらいにホッとした。
抱きしめてもらえたような安心感に包まれた。
【今日何時に会えますか。話したい】
そう送ると、
【いつものカフェで8時】と返信があった。