JUICY KISS ~あなたの唇独り占め~【番外編追加】
「絶対に言わないでおこうと思った。菜々子にとっても大事な後輩であるわけだし」
「何?」
心臓がさっきとは違う嫌なドキドキで苦しい。
「社員旅行の夜、俺、あの子と話しただろ?あの時、ちょっと変な感じがしたんだ。誘うような目っていうか・・・・・・この後、どうですかって言われて」
「それ、本当?裕美子が・・・・・・あんなに私のこと応援してくれてたのに」
「いや、俺の勘違いかもしれない。一瞬、俺は狙われてる気がしたんだけど、その後落ち着いて考えたら、もしかしたら菜々子のことで俺に相談したかったのかな、とも思えた」
悩んでいる様子の壮志さんを見ていると、黙ってはいられなかった。
私は、聞いてしまった電話の内容を話した。
「隣に座ってて、その状況は辛いな。お前、大丈夫か」
「うん。でも、裕美子は良い子なんだよね。なんだか信じられないんだよね」
温泉で私の為に一緒に喜んでくれた裕美子。
背中を押してくれた裕美子。