JUICY KISS ~あなたの唇独り占め~【番外編追加】
「ねぇ、相沢さん。ちょっと話があるんだけど、少しだけ外行かない?」
いきなりジョーさんが私に声をかけてくる。
「倉坂の許可は得たから。5分だけお願い」
壮志さんを見ると、口をぎゅっと結び、頷いていた。
「じゃあ、5分だけ」
そう言って立ち上がったけど、このふたりを残していくことが不安で仕方なかった。
ジョーさんは、本当のことを私に話してくれるつもりだろうか。
裕美子のいる前では話せないのかもしれない。
薄暗い階段を上り、地下の店から地上に出る。
「ふ~」
大きく息を吐いたジョーさん。
「ジョーさん、裕美子と付き合ってたんですか?」
早く真実を知りたくて焦ってしまう。
「ん?そういうわけじゃない。俺、相沢さんと付き合いたいんだ。倉坂は、いつか君を捨てる。海外赴任の話も出ている。あいつは、君を幸せにはできない」
「海外赴任?」
そんな話聞いてない。
「ほら、そんなことも聞いてないんだろ。いろんな女性との関係もはっきりしていないままだ。結婚を意識しているなら、倉坂とは別れた方がいい。俺、だめかな」