JUICY KISS ~あなたの唇独り占め~【番外編追加】
「エレベーター止まったよね?」
「ああ、絶妙なタイミングで止まったな。このエレベーター」
エレベーターの緊急ボタンのふたを開けた倉坂さん。
「このボタン押せばいいんだろうけど」
真剣な表情の倉坂さんは、やはり素敵で。
あの日に感じたときめきは、一時的なものではないと確信する。
この一週間いろんなことを考えて出た結論。
彼はキス魔なんかじゃない。
ただ酔っていただけ。
酔って、ついキスをしてしまったのだ。
「このエレベーター、賢いな。これって、俺と相沢にキスしろって言ってんのかな」
うん。あれれ?
私、誤解していたのかもしれない。
酔った勢いでキスをしたわけじゃなく、やはり彼はただのキス魔??
だって、今酔ってないもん。
「ま~た、そんなこと言って」
私は目をそらしながら、逃げるようにエレベーターの壁に体をくっつけた。
「何、逃げてんの?」
倉坂さんは、私に大股で一歩近付いた。
肩と肩が触れた。
エレベーターがいつ動き出すかわからない状況で、よくこんなことができるなぁ。
倉坂さんって、女に慣れてる。
というか、キスに慣れてる?