JUICY KISS ~あなたの唇独り占め~【番外編追加】
「ジョーさんがどうしてそんなことを言うのかわかりません。私のこと全然知らないし、話したこともないのに。倉坂さんの彼女だから、そういうこと言うんじゃないですか」
「それは違う。ずっと俺は見ていたんだよ。君のこと。仕事に対する姿勢や、後輩に対する思いやり、そういうの俺には響いたんだ。騙されたと思って、俺ともデートしてみない?」
手を握られた。
とっさに払いのけた。
「俺のこと、知らないじゃん。知ってみてもいいと思わない?」
「私は、倉坂さんと付き合ってます。倉坂さんのこと好きだから、考えられません」
店に戻ろうと、反対側に歩き出そうとした。
「ひゃっ」
腕を掴まれて、体の自由が利かなくなる。
抱きしめられてる?
好きじゃない人に抱きしめられるのって初めてだった。
こんなに恐怖なんだね。
怖いって思った。
「相沢さん、キスしていい?」
払いのけることもできず、顔が近付く。
心の中で叫ぶ。
【壮志さん助けて!!】