JUICY KISS ~あなたの唇独り占め~【番外編追加】
目を閉じる。
「菜々子、こっちこい」
夢なのかと思うくらいのタイミングで、壮志さんの声が聞こえた。
「城ノ上さんを信じた俺がバカだった。何やってんすか?」
壮志さんに押されたジョーさんは、道にしりもちをついていた。
「すまん。倉坂。すまん」
「みんなの前では話せないことがあるって言うから俺は菜々子と外へ行くことを許したんですよ」
「本当に悪かった。でも、違うんだよ」
謝るジョーさんに、壮志さんが力強い声で言った。
「二度と触れないでください。俺の彼女なんで」
黙ったままのジョーさんを置いて、私達は店へと戻った。
「菜々子、ごめんな。俺が悪かったんだよ」
「ううん。そんなことない。私ももっと突き放せば良かったのに。ごめんなさい」
「いや、怖かっただろう。ごめん」
さっきまでのテーブルへ戻ると、
そこには、裕美子の姿も消えていた。