JUICY KISS ~あなたの唇独り占め~【番外編追加】
「何が何だかよくわからないけど、全部が失敗だってことだな」
壮志さんは悲しい声でそう言って、椅子に腰掛けた。
手をつけていない料理たちを見つめる。
向かいに座る。
「そっとしといてほしいな。俺達のこと」
本当に悲しそうな顔をしていた。
「大丈夫だよ、壮志さん。私達は大丈夫」
いつも壮志さんが言ってくれた言葉を、今日は私が言う。
「告白されたよ。裕美子ちゃんに。俺は、菜々子を愛しているし、これからも別れないと言った。でも、それよりも俺は菜々子を騙してたことが許せなくて。好きなら好きで、最初から言えば良かっただろ、と言ってしまった」
裕美子が壮志さんを好きなのは、やはり本当だった。
辛い想い、いっぱいしたんだろうな、裕美子。
ごめんね、本当に。