JUICY KISS ~あなたの唇独り占め~【番外編追加】


「彼女は泣き出した。何度も言おうと思ったけど、言えなかったって。かなうわけないって言ってた。でも、もうどうすることもできないから、俺に直接言いたかったって」

「裕美子も辛かったのかな・・・・・・」

「俺も悪かった。社員旅行で俺がセクハラされてるあの子に説教しただろ?あの出来事で、気持ちが止められなくなったって言ってた。お前のことは本当に大好きな先輩だって。だから、あきらめようって頑張ってたって。でも、あの社員旅行で・・・・・・このままじゃいやって思ったんだって」

あの時、宴会場から消えた裕美子。

壮志さんへの想いを抑えきれず悩んで苦しんでいたんだ。


壮志さんがぐいっと私の手を引っ張る。

「おい。菜々子、同情すんなよ。悪いのはどう考えても向こうだから」

「うん。でも」

「でも、じゃない。俺は菜々子を傷つけるヤツは許さない。城ノ上さんのことも許さない」



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