JUICY KISS ~あなたの唇独り占め~【番外編追加】
置いてあったはずのジョーさんの鞄もなくなっていた。
裕美子が持っていったんだろう。
「あのふたりの関係、わからない」
「そこは、まだ俺もわからないな。でも、付き合ってるというよりは師弟愛みたいな感じじゃないかな。裕美子ちゃんの恋の応援をするために、菜々子を奪おうとしたってことにしたい。俺としては・・・・・・」
大きなため息をついた後、私の手を握った。
「本気で城ノ上さんが菜々子のことを好きだとは思いたくない。あの人が本気になったら、俺、勝てるのかな」
不安げな表情だった。
私は壮志さんの手を握り返す。
「どうなっても私は壮志さんが好き。他の人なんてどうでもいい。だから、安心して」
壮志さんほどの人でも不安になるんだね。
こんなにも大好きなのに、そんな悲しい顔しないで。