JUICY KISS ~あなたの唇独り占め~【番外編追加】
「あんな気持ち初めてだった。城ノ上さんがお前のこと抱きしめてて・・・・・・殴りそうになった、俺」
「殴っても良かったのに。なんて」
「職場の先輩じゃなかったら絶対に殴ってたけどな。いちおう社会人だから、我慢した」
「えらいえらい」
残った料理をゆっくりと時間をかけて、ふたりで食べた。
ふたりでいい。
もう他の誰もいらないって思った。
私たちの幸せを邪魔する人ならもういい。
かわいい後輩だって思ってたけど、失ってもいいや。
だって、もう疲れちゃったんだもん。
「どしたぁ?菜々子、だめだよ、もう少し頑張らないと。このままじゃだめだから」
「やっぱり、そうだよね」
「また職場で顔を合わすんだろ。裕美子ちゃんももう本当のこと話してくれるだろう。俺に告白したんだから、もうお前にその気持ちがバレてるってこともわかってるだろう」
裕美子と話し合うっていう状況もものすごいストレスだな。
嫌だけど向き合うことから逃げられない。
「海外赴任の話、ジョーさんにされたんだけど、そんな話あるの?」
「そんなこと言ったの?ジョーさん。そんな話、とっくに消えた話だよ。転勤してくる時に、出ていた話」
安心したら、涙が溢れそうになる。
私は、この人を信じる。
とその時、スマホの画面が光る。