JUICY KISS ~あなたの唇独り占め~【番外編追加】
「誰かわかった?」
『わかんない。部屋の前で電話したら、部屋の中で女といる気配がして。電話も出なくて・・・・・・私ね、城ノ上さんとは本当に何もなくて、でもだんだん惹かれてる自分もいて。でも、こんなに涙が止まらないってことは私、好きなのかもしれない』
ジョーさんの部屋の中にいるのが裕美子だって証拠が欲しかったけど、それは真佐にとってはどうでもいいこと。
「好きならちゃんと伝えなきゃね。その女の人だって、どういう関係かわからない。ただ話があって家に来ただけかもしれない」
妙に冷静になっている私。
自分の身に起こっていることが複雑すぎて、真佐のことが冷静に考えられる。
『やだよぉ、菜々子。片思いとか絶対やなの!城ノ上さんのことも、向こうから告ってくるまで好きにならないって決めてたのに』
「ちゃんと話すしかないよ。好きなものはどうしようもない。気持ちぶつけてみないと」