JUICY KISS ~あなたの唇独り占め~【番外編追加】
電話を切った私の前で、壮志さんは優しく微笑んだ。
「今日は、いろいろある1日だな。何となく見えてきたな」
「真佐、ジョーさんのこと好きになっちゃったみたい」
私がそう言うと、壮志さんは首を何回か静かに縦に動かし、視線を遠くにやった。
「俺もな、城ノ上さんは真佐さんのことが好きだと思うんだ。そう思いたいってのもあるけど」
「今、部屋に行ったら、女の人がいたんだって」
「それが裕美子ちゃんってことか」
しばらく黙ったまま手を握り合っていた。
「噂とか、いかにも本当っぽくみんなは言うけど、実際は全然違うんだよ」
遠い目をしたまま、壮志さんが言った。
壮志さんは、遊び人だって言われてた。
やり逃げするとか、いろんな人に手を出してるとか。
真佐にもいろんな噂がある。
ジョーさんとセフレだとか結構有名な噂だったりする。
でも、さっきの涙声を聞いて確信した。
そんなはずないって。