JUICY KISS ~あなたの唇独り占め~【番外編追加】
「何が本当で何が嘘かわからないけど、人を傷つける嘘はできればつきたくない。俺はそう思ってる」
「うん。そうだよね。噂だって、全部信じてしまうのって危険だって思う。ちゃんと自分の目で見たこと以外は真実じゃない」
静かに頷いた壮志さんは、優しく指先を絡め、確かめるように指と指の間に指を入れる。
「菜々子がここにいる。それは真実だからそれでいいや」
「うん。そうだね」
ふたりとも、静かな悲しみというかやりきれない気持ちでいっぱいだった。
でも、壮志さんの言う通り私達はここにいて、愛し合っている。
それだけは真実だから、それでいい。