JUICY KISS ~あなたの唇独り占め~【番外編追加】

星空の下で


-星空の下で-

月が綺麗な夜だった。
月の周りにはたくさんの雲が集まっていて、その輝きはいつ消えてしまうかわからない。
月を見つめながら、公園のベンチに腰掛けている私達。

店から出て、何も言わずにここへ辿りついた。
まだ帰りたくなかった私はゆっくりゆっくり歩いていた。
一緒にいたい、と壮志さんも思ってくれたんだね。

「静かだな」

時々吹く風が少し肌寒く感じる夜。

「いろんな人がいろんな思いを抱えて生きてる。騙すとか嘘つくとかそういう気持ちがなくて、結果的にそう相手には受け止められることもある」

壮志さんの考え方のいつも救われる。

誰かを恨んだりしたくない。
裕美子もジョーさんも、私達を傷つける目的で嘘をついたわけじゃない。
壮志さんと一緒にいると、そう思えるから楽になる。


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