JUICY KISS ~あなたの唇独り占め~【番外編追加】
隠れそうで隠れない月のおかげで、壮志さんの横顔がはっきりと見えた。
横から見ると前から見るよりも切れ長に見える目が好き。
大好きな横顔を見つめていると、顔を私の方に向ける。
「チュー、しよっか」
「うん」
手を繋いだまま、口と口を近付けると、そっと触れる唇が喜んでいるのがわかる。
「ふふ」
繋がる気持ち、愛。
本当にこの人が大事だなって思う。
「大丈夫だよ」
と、お互いに囁くように言い、大丈夫なんだと言い聞かせるようにキスをした。
優しく唇を合わせ、だんだんと舌が絡み合う。
激しくなる吐息に、私の体の力が抜けていく。
舌の先で刺激された私の舌は、壮志さんの思うがままに動かされる。
何度も何度もキスをした私達だけど、いつも思う。
“このキスが一番好き”って。
今もそう。
今までのキスの中で一番好きって思った。
心の中にある不安や悲しみを消すように、私達はキスをして愛を伝え合った。
キスばかりしている私達を月はどんな風に見ているんだろうね。
その先にいこうとすればいつでもいけるのかもしれないけど、私も壮志さんも今のままで良かった。
キスでいい。
今はキスでいいんだよね。
焦らなくてもいつでもできるって壮志さんも言ってくれた。
今は今のこの時間を大事にしよう。
その夜、数えられないくらいのキスをして、また少し強くなれた気がする。