JUICY KISS ~あなたの唇独り占め~【番外編追加】
真佐の想い
~真佐の想い~
裕美子は3日間、会社を休んだ。
理由はどうであれ、ほっとしている私がいる。
給湯室で、さっきランチのパンと一緒に買ったシナモンチャイの粉をお湯で溶かす。
シナモンのいい香りと共に、その香りからいつも壮志さんといくカフェの記憶がよみがえる。
「あの~、相沢さん、俺にもそれいれてくれませんか?」
壮志さんとのコーヒータイムを思い出してニヤついていた私は持っていたチャイの袋を落としてしまいそうになった。
「きゃ!」
「何、コソコソ美味しいもん飲もうとしてるんだ?俺も誘ってよ」
腕組みをした壮志さんは、給湯室の入口の壁に体を預けて斜めに立っていて、その姿がかっこよすぎると思った。
「シナモンチャイだけど、飲みますか?」
「菜々子エキス入りでお願いします」
そんなことを言う壮志さんにドキドキしながら、もう一杯チャイをいれた。
「デスクにお持ちしましょうか?」
とわざと聞く私に、壮志さんは期待通りの答えをくれる。
「一緒に飲みたいから、ここで立って飲む」
あったかいチャイが美味しく感じるのは、空調が効きすぎていて少し寒いからだろう。