JUICY KISS ~あなたの唇独り占め~【番外編追加】

「あの時思ったよ。器用そうに見えて、すげー不器用なかわいい人だなって。俺が菜々子にふさわしい男かどうか見てるんだろうなってバレバレだった。美人で何でもそつなくこなせそうな人だけど、実はそうでもないのかなって思った」

私は、そんな真佐の姿を想像して、チャイを吹き出しそうになった。

「わかるわかる!それ!真佐ってそういうとこあるんだよ。そのちょっと抜けたところが大好きなんだけど、男の人の前でそれが出せないんだよね。でも、壮志さんには見破られてたんだね」

「俺が、真佐さんを誘うかどうか、真佐さんは試したんだと思う。でも、それもなんだか不自然で、本当に純粋な人だと思う。だから、社員旅行で城ノ上さんと部屋に消えてったってのが信じられなくてさ。でも、実際はセフレでもないし、本気で好きなんだよな」

私も誤解した。

裕美子の恋を応援したくて、真佐を悪く思ったことがある。

親友を疑うなんて、私もまだまだ未熟者。

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