JUICY KISS ~あなたの唇独り占め~【番外編追加】
「お茶でもする?」
真佐の提案に、私はうんうんと頷いた。
まぁいつもの感じ。
決断力のある真佐だからね。
「あの店にしない?」
珍しく提案してみた私だった。
壮志さんと何度もデートした例のあのカフェ。
「え?いいよ。美味しいの?」
「う~ん。どうだろう。雰囲気が好きなんだ」
というか、壮志さんと一緒に行ったから好きなだけなんだけど。
オレンジ色と薄紫を混ぜたような不思議な色の空を眺めながら、のんびりとカフェへ向かう。
いつもの席に座ると、胸の奥の方がキュンとして、壮志さんと初めてここに来た日のことを思い出した。
「何?どしたのよ」
「実は、ここ何度かデートで来たから、なんだか嬉しくて」
恋愛で悩んでいる友達にこんなことを言うのはルール違反だろうか。
付き合いが長い分、そこは許してくれると油断している私。
「あんた達、まだ付き合ってんでしょ?別れた彼氏と昔に来た場所とかならわかるけど、今の彼氏との思い出の場所で、しんみりしないでよ」
「それもそうだよね」