JUICY KISS ~あなたの唇独り占め~【番外編追加】
「何か言ってよ。菜々子」
「いや、納得だなぁって。専務と真佐お似合いだけど、不倫とかありえないよね」
「惹かれたことはあったんだ。専務って立場じゃなかったら、私は彼を選んだと思う。でも、次期社長だもんね。そんな人と恋愛できないよ」
真佐は、中嶋専務をあきらめる為に、ジョーさんを好きになったんじゃない?
と思ってしまうくらい、切ない目をしていた。
「専務に本気になりそうで、怖かった。だから、私から身を引いた。専務の人生も狂わせちゃうことになるからね。辛かったけど、突き放した。その時にさ、城ノ上さんがいろいろ助けてくれたんだよね。泥沼に足を突っ込まなかったのは、城ノ上さんのおかげだった」
専務と真佐の恋にも、大いに興味があった。
どんな風にふたりは恋をして、別れたんだろう。
でも、今そこを深く掘り下げる必要もない。
真佐は、現実を見て、身を引いて、ジョーさんを選んだんだから。
「じっくり時間をかけて、城ノ上さんを好きになったんだね。真佐」
「良く言えばそうかもしれないけど、私があっちこっちと脇見していたってことだよ」
専務と真佐が付き合ったとしたら、とてもドラマチックな恋になったんだろうな、なんてまた想像してみる。
ドラマのように、婚約者を捨てて、真佐を選んだとしたら・・・・・・
「って、あんたがどうしてニヤついてんの?」
「ごめんごめん。専務もなかなかイケメンだし、お似合いだな~って」
「もうあの人のことはいいんだって。社長にバレたら私、クビになっちゃうしね」
それこそ、禁断の愛!!
ってひとり盛り上がる私だったけど、近いうちに裕美子との話し合いが待っている。
真実を受け止めることができるんだろうか。
私達は、ブラブラとショッピングモールを歩いたり、おみやげにスイーツを買ったりして、OLらしい夜を過ごした。