JUICY KISS ~あなたの唇独り占め~【番外編追加】
「このまま何もなくて全てを失うなら、一度でいいから倉坂さんに抱かれたいって思った。抱かれるなんてそこまでは考えてなかったけど、キスくらいならもしかしたらできるかもって思ったんです。でも、その時点で、私はもう会社を辞めようかって思ってました。大好きだけど、相沢先輩のことを裏切ってるし、会社を辞めない限り私は倉坂さんをもっともっと好きになってしまう」
オブラートに包んでくれてはいるんだろうけど、衝撃的な言葉に胸がズンズン痛む。
キスくらいなら?
そんな軽い男じゃないよ。
壮志さんは、裕美子もジョーさんも恨まずに、円満解決を望んでくれているんだよ。
本当なら、めちゃくちゃになってもいい状況なんだよ。
「キスできたらあきらめて会社もやめようって思ったの?でも、それってきっともっともっとって欲求が増えていくんだよ。キスだけで満足なんてできない。エッチしたい、付き合いたい、奪いたいって思ってしまうと思うんだよね」
少し口調がキツくなっていることを自分でも感じていた。
酸素が足りない。
「はい。そうだと思います。でも、でも・・・・・・こうならないと止められなかったのかもしれません。本気で真佐さんにセフレのこと話してしまっていたかもしれないし、ジョーさんに対しても依存してしまっていたかもしれない。怖いです、自分が」
「まぁね、好きになると、自分が怖くなることあるけど」
怒鳴りたいくらいの腹立たしさを隠すように、冷めた口調で言った。