JUICY KISS ~あなたの唇独り占め~【番外編追加】

その口調に裕美子も腹を立てたのかどうかはわからないけど、顔色が少し変わった。

「私、まだ爆弾を持ってるんです。これは、言わないで置こうと思ったんですけど、倉坂さんはゆめちゃんとキスしたらしいんです。これ以上困らせないからって条件で。だから、私もその手を使ってキスしてもらおうかなって。最低です、私」

もう何も言えない。
そのことが事実であっても、事実でなくても、その情報をさらっと私に伝える裕美子の心理がわからない。

恋をするとおかしくなるのは仕方がないけど、人の気持ちってもっと大事にするべきだと思う。

涙が溢れて、その場にいられなくなって店を出た。

私を呼ぶ声が聞こえたけど、私は止まらずにエレベーターに乗った。


最上階のボタンを押す。


裕美子から少しでも離れた場所に行きたい。

これ以上あの子と一緒にいると、もっともっと爆弾を投げられ、傷付くような気がする。



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