JUICY KISS ~あなたの唇独り占め~【番外編追加】
「倉坂倉坂って言ってる女性に声をかけて、自分の方を向かせるのが楽しかったんだってさ。よくそこまで正直に話してくれたよな。ある意味、俺はそういう城ノ上さんに感動しちゃったんだよ。自分の汚い部分をさらけ出してくれたからさ」
壮志さんはいい人だ。
私は、そんなことを聞いて、ただただジョーさんへの軽蔑しかない。
真佐はジョーさんのどこを好きになったんだろう。
「真佐さんとのことはあえて、聞かなかった。俺は関係ないと思ったから。でも、大事な女性がいるって言ってたからきっと真佐さんのことだろうな。その女性と真剣に付き合いたいから別れてくれって裕美子ちゃんに言うと、彼女は急に変わったらしい。しつこくストーカーしたり、会社にバラすって言ったりして」
「それは裕美子も言ってた。真佐にバラすって脅したみたい」
「城ノ上さんは、自分のことを本気で好きになったのかと最初は思って、どうしようか悩んだみたいなんだけど、俺の名前を出すと、別れるのを納得した。倉坂とうまくいくように協力するから別れて欲しいって」
表情も変えずに話す壮志さんは、本当に強い人だ。
私は、グラスの下に少し残ったビールを飲んだ。