JUICY KISS ~あなたの唇独り占め~【番外編追加】
カチカチカチという時計の秒針の音が響く部屋で、私は夢と現実の間にいるような幸せに包まれていた。
力強い腕に頭を乗せ、呼吸が落ち着くのを待つ。
「どうしよう。俺、もっとお前に惚れちゃった」
静かな夜の海の中にいるようだった。
「私も、もっともっと好きになっちゃった。どうしよう」
「こうなるってわかってたんだよな、俺」
優しく私の頬に触れ、首に触れ、鎖骨に触れる指。
真っ暗な部屋、肌を寄せ合い、夢の中へ。
キス魔だと思ってた人。
誰にでも優しくて、誰からも好かれるヒーローで。
掴めそうで掴めない謎の男。
彼が今、私の横で寝息を立てる。