JUICY KISS ~あなたの唇独り占め~【番外編追加】
「よぉ、朝からニヤけてんな」
電車から降りると、背後に壮志さんが現れる。
「びっくりしたよぉ」
「お前、思い出してただろ。ばか!」
エッチの翌日に、思い出してしまうのは、男性よりも女性なんじゃないかな。
エッチ中に言ってくれた嬉しい言葉とか思い出して、ニヤけちゃうのってきっと誰でもあるんじゃないのかな。
「まぁ、俺も思い出して、ヤバかったけど」
照れ臭そうにそう言ってくれた壮志さんは、スタスタと歩き出す。
スーパーヒーローみたいにかっこいい壮志さんだけど、生身のあったかい人間なんだよね。
照れたりもするし、怒ったりもする。普通の男の人なんだよ。
「一緒に行くか」
会社の最寄駅に着くまでは、体を寄せ合ったり、少し手を繋いだりしてラブラブで。
最寄駅で、上司に会った壮志さんはいつもの爽やか青年に戻り、それからは私達は離れて歩いた。
エレベーターで奥に立った私達。
会話はしなかったけど、こっそり手を握ってくれた。
大好きだよ。
昨日よりもっともっと好き。