JUICY KISS ~あなたの唇独り占め~【番外編追加】
アンチョビの香りに包まれたパスタを頬張り、私達は目を合わす。
「うまいものをお前と食べると、幸せってことだよな」
見つめあったまま、首を少し傾けて・・・・・・ポツリと言う。
「じゃあ、結婚する?」
口の中にあったパスタのアンチョビの香りが涙の味に変わる。
「そう、し・・・・・・さん?」
「あれ、俺、なんか今、自然に口から出た」
「自然に?」
「ああ、この感じ、幸せだなって思った。何か嫌なことがあったり悩み事があっても、一緒に美味しいもん食べて、その気持ちが軽くなったりしてさ。お前が目の前で笑ってて、それ見て、俺も幸せだなって思って。そういうのいいじゃん」
結婚?
結婚??
私と?
「女の子は、シチュエーションにこだわりたいだろうけど、今でもいい?」
コクンと頷く私。
「ずっと一緒にいたから、俺と結婚してくれないかな」
フォークに刺したアスパラを私の口元に近付ける壮志さん。
私はそのアスパラをパクっと食べる。
「今のが返事?」
と壮志さんは笑う。
「私も一緒にいたいから結婚したいです」
私もアスパラを壮志さんの口へ。
「じゃ、決定な!」
とアスパラを食べてくれた。