JUICY KISS ~あなたの唇独り占め~【番外編追加】
「菜々子のこと自分に惚れさせようとしていることだけは確かだね」
「何、それ~!ゲームみたい」
「そういう男もいるから。女を落とすことが快感、みたいな」
私は深く長いため息をついた。
彼はそんな人じゃない!!と言い返したかったけれど、言い返すほど、彼をよく知らない。
倉坂さんがそんな人じゃないと言い切れるほど、彼を知らないんだ。
知っているのは、あの柔らかな唇と、優しい舌。
そして、甘い吐息・・・・・・
「何、ニヤついてんの?」
真佐にガンっと足を蹴られる。
「思い出してたんでしょ?」
「うん。忘れられない」
「じゃあ、あきらめるなんて言わずに、頑張りなさい」
私はコクンと頷いて、倉坂さんの隣にいたピチピチのゆめちゃんのことを頭の中から消そうとした。