JUICY KISS ~あなたの唇独り占め~【番外編追加】
きっとわざとだ。
私に聞かせたくて、今誘ったんだ。
倉坂さんは、どういう人なんだろう。
だってさ。
エレベーター降りてからでいいじゃん。
どうして今、言うの?
私がいるのに。
しかも3人だよ?
聞こえるに決まってんのに。
泣かないように泣かないように。
そう言い聞かせながら、1階でエレベーターを降りた。
走った。
ゆめちゃんの顔を見たくなかった。
勝ち誇ったような笑顔を見たくなかった。
あのキャピキャピした高い声も聞きたくない。