JUICY KISS ~あなたの唇独り占め~【番外編追加】
それから数日間、倉坂さんと話す機会がなかった。
顔を合わせても、軽く会釈する程度。
ゆめちゃんとの間に何があったのか、気になるけど、聞けるわけもない。
想像しちゃうと辛くなるだけなのに、想像ばかりしてしまう。
仕事も暇な時期だったので、余計に考えてしまう。
倉坂さんは営業でいろんなところを飛び回っているようだった。
もちろん、サブとしてゆめちゃんも一緒に。
「真佐ぁ~、絶対エッチしちゃってるよ」
「またそんなこと言って~!マイナス思考はだめだって!」
「でも~」
「はいはい!大丈夫だって」
毎晩真佐を誘って、飲み歩いた。
不安で不安で仕方がなかったけど、あのキスを思い出すとほんの少しだけ安心できた。
少しでもそこに愛があるような気がした。
それが気のせいでもいい。
あのキスは、私にだけ向けられたものだもの。