JUICY KISS ~あなたの唇独り占め~【番外編追加】
その日、仕事が終わってから私は待ち伏せをしてみた。
待ち伏せといってもたいしたものじゃなく、会社の周りをブラブラ歩いてみた。
倉坂さんに会えることを期待して。
またゆめちゃんと一緒かもしれないと思うと、会いたくない気もした。
でも、このままでは、私はおかしくなる。
ちゃんと話したい。
もう一度会って、どういう意味のキスだったのか、聞きたかった。
都会のオフィス街。
いつも急いで歩いているので気付かなかった。
とても綺麗な夜空と、ビルの明かり。
なんだかキュンとした。
見上げた会社の窓のどこかに、彼がいる。
大好きな人がそこで働いていると思うだけで、ドキドキできるなんて。
こんな恋は初めてだった。