JUICY KISS ~あなたの唇独り占め~【番外編追加】


その日、仕事が終わってから私は待ち伏せをしてみた。

待ち伏せといってもたいしたものじゃなく、会社の周りをブラブラ歩いてみた。

倉坂さんに会えることを期待して。

またゆめちゃんと一緒かもしれないと思うと、会いたくない気もした。

でも、このままでは、私はおかしくなる。
ちゃんと話したい。
もう一度会って、どういう意味のキスだったのか、聞きたかった。


都会のオフィス街。

いつも急いで歩いているので気付かなかった。
とても綺麗な夜空と、ビルの明かり。

なんだかキュンとした。

見上げた会社の窓のどこかに、彼がいる。

大好きな人がそこで働いていると思うだけで、ドキドキできるなんて。

こんな恋は初めてだった。
< 43 / 331 >

この作品をシェア

pagetop