JUICY KISS ~あなたの唇独り占め~【番外編追加】
「聞いてる?何、ニヤついてんだよ!!」
「あ、ごめんなさい」
倉坂さんの右手の親指と人差し指で、私の頬がつままれた。
キュン。
キュンキュンキュンキュン。
「ゆめちゃんってかわいいよね」
否定して欲しくてまたこんなことを言ってしまう。
コーヒーショップの窓から外を見つめると、カップルがイチャイチャしながら歩いていた。
「そうか?お前、アイツのことそんなに気になるの?」
「別にそういうわけじゃないけど」
「ふ~ん」
倉坂さんも私の視線の先に気付き、外のカップルを見た。
「ああいうカップル見ると、キスしたくなるな」
ニヤリと笑う倉坂さん。
私は期待していた。
今夜、またキスできるんじゃないかと。
あの情熱的な素敵なキスに出会えるんじゃないかと。
「ば~か!嘘だって」
ドーナツを頬張ったまま倉坂さんは、くくくと笑った。
その笑い方が新鮮で、またまた好きになってしまう。