JUICY KISS ~あなたの唇独り占め~【番外編追加】
「誤解って?」
「アイツのことだよ」
低い声を出す倉坂さん。
時々出すこの怒った風な声も好き。
「ゆめちゃんとホテルに行ったこと?」
「そうそう。ホテルに行くくらい誰とでもできるって言ったけど、別にセックスしたとは言ってない」
セ、セックス?
そんなはっきり言う??
エッチ、とか言ってよ。
照れる。
「ま、セックスだって誰とでもできるけど」
と、ニヤリと笑う倉坂さん。
「でも、別にアイツとは何もない。終電がなくなったから、ホテルに泊まっただけ。俺はソファに寝たし、何もなかった」
と静かに言った後に、突然豪快に笑い出す。
「つ~か、俺、何言い訳してんだろ。ははは」
「そうだよ。別に私には関係ない」
かわいくない私。
「でも、ホッとしただろ?そんな顔してる」
倉坂さんは、穴があくほど私を見つめていた。
私は時々目を合わせては、目をそらし、ナビの画面を見たり、窓の外を見たりしていた。