JUICY KISS ~あなたの唇独り占め~【番外編追加】
「これから、俺のフォローいろいろ頼むな!相沢」
そう言って、私の肩に手を乗せて、背筋を伸ばした。
去っていく彼の背中を見つめているだけで、体が火照ってしまった。
完全に、ノックアウトだ。
席に戻ると、倉坂さんは上司と真剣に仕事の話をしていた。
私は、聞いていないフリをしながらもその話に聞き耳を立てていた。
当たり前だ。
好きな男の仕事への考え方や、今までの仕事ぶりについて、興味津々だからだ。
「ねぇ、菜々子。聞いてる?」
「あ、ごめん」
隣に座っているのは営業部の2歳年下の今野真佐【コンノマサ】
後輩だけどもう6年の付き合いであり、親友である。
営業補佐をしていて、今後、倉坂さんともお近づきになるであろう。
倉坂さんの転勤を知った時に、真佐はとても興奮していた。
「真佐、彼氏とはどうなの?」
私は最近彼氏とうまくいっていないと言っていた真佐に尋ねた。
もちろん、同じ人を好きになりたくないからだ。
頼むから・・・・・・それだけは避けたい。