JUICY KISS ~あなたの唇独り占め~【番外編追加】
懇親会も終わり、帰り支度をしている時だった。
「相沢さん、俺方向同じだし送っていこうか?」
隣の課の先輩が私に声をかけてきた。
「え?」
戸惑う私は、近くにいた倉坂さんに助けを求めるように視線を送る。
私は倉坂さんの車で帰りたい。
だって、だって。
「すいません。先輩。俺、相沢ん家に朝迎えに行った時に荷物置かせてもらったんで、それ取りに行きたいんで、俺が送ります」
助け舟を出してくれた倉坂さんは、サラリと上手な嘘をつく。
「そうか。じゃあ、頼むな」
「はい」
先輩と倉坂さんはにこやかに笑い合い、別れた。
「じゃあ、お疲れ様です」
その後、倉坂さんに腕を掴まれた。
「おい、何してんだよ。ちゃんと自分で断れっつ~の!」
スネたような表情がかわいい。
「ごめんなさい」
「俺の車乗りたくねぇのかよ」
そう言って、私の頭をコツンと叩く。