notebook 1
私のこの特性は「目があった相手も自分も恋に落ちる」……つまりは強制的に両思いにしてしまうものだ。一見素晴らしいもののように思えるが、相手次第では本当に最悪の特性となる。
もちろん「これで憧れの先輩と両思い……クックック」という可愛らしいことも考えたりしたが、全て夢のままで終わった。
なぜなら、私のこの特性を知っていた両親は私が風邪をひくたびに
私を家に軟禁していたので、想い人と目を合わせるためには
『家に招く』という方法しかなかったのだが、ウブな私にはそんな勇気はなかったからだ。
実に無念である。
「さて。それにしても暇だ」
熱は若干ある。体もだるい。けれど暇なのには変わりない。
友達も呼べないしどうしたものか……と、携帯のアドレス帳を開いた。
ズラリと並んだ名前の中で一際目立って見えたのが『甚野先輩』の文字。心臓がトクンと音を立てた。今までは家に招く勇気なんてなかった。
でも、今だったら……。私はすっかり慣れた手つきでメールの文を打った。
『今、なにしてますか?
風邪ひいちゃったんで、
ひまだったらお見舞い来てください(笑)』
もちろん「これで憧れの先輩と両思い……クックック」という可愛らしいことも考えたりしたが、全て夢のままで終わった。
なぜなら、私のこの特性を知っていた両親は私が風邪をひくたびに
私を家に軟禁していたので、想い人と目を合わせるためには
『家に招く』という方法しかなかったのだが、ウブな私にはそんな勇気はなかったからだ。
実に無念である。
「さて。それにしても暇だ」
熱は若干ある。体もだるい。けれど暇なのには変わりない。
友達も呼べないしどうしたものか……と、携帯のアドレス帳を開いた。
ズラリと並んだ名前の中で一際目立って見えたのが『甚野先輩』の文字。心臓がトクンと音を立てた。今までは家に招く勇気なんてなかった。
でも、今だったら……。私はすっかり慣れた手つきでメールの文を打った。
『今、なにしてますか?
風邪ひいちゃったんで、
ひまだったらお見舞い来てください(笑)』