ブナイレンアイ

「おんぶしてく」


私は軽々と部長におんぶされていた。


「…ありがとうございます…」


そう言って素直に肩に手を回す。

部長の背中は、線の細いハルキ先輩より、引き締まった硬い筋肉のカナトより、


コウより、


男の人らしかった。


「よっと!」


私を自転車のサドルに座らせると、部長はそのまま自転車を押して歩き出した。

「あの…?」

「ラーメン」

「え?」


…ラーメン?

「食いに行くか!」
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