ブナイレンアイ

私たちが教室に上がろうと階段に向かった時、私の腕がぐいっと引かれた。


「悪い。春原に話があるから先に行っててくれ」


私の腕を掴んだのは鋭い目つきをした部長。

ハルキ先輩とカナトとカオルくんは頷くと階段を上がって行った。


「で?上履きは?昨日、持って帰ってないよな?」



「えーと…」


「心当たりは?これ、いじめだろ?どう見ても」

「違いますって」


「誤魔化すな」


もう、誤魔化せない。悟った。
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